ひまわりは健康優良児のような花だ。
堅くまっすぐな茎 鮮やかな大輪
猛暑に耐え育つ様は生命力にあふれている。
ラテン的な陽気さを感じる反面
甘やかされることもなく
ずっと枯れるまで土にふんばり続けるその花に
悲哀を感じる。
強くて大きな女が気ぐらいだけで
世間を渡っているような。
成功した映画女優が
いつも幸せそうにしていなければいけないような。
切りとったひまわりに別の人生をあげる。
我が家のリビングに住んでもらうことにした。
土が似合う君だけど
なまぬるい人生も世の中にはあるんだよ。
陽に焼かれ木のようななったひまわりは
それでもすくっとまっすぐに立ち
「これが私の人生さ」と本当の夏の終わりを告げる。