大きな木を抱きしめてみた。
自然の中のひんやりとした空気。
そこにある木はすべてを受け入れるしかなく
私に抱きつかれても嫌とはいわない。
でも嫌がっていないのはわかっている。
あなたは私と対話したがっている。
つぶれるくらい木肌に耳を押し付けてみる。
私の耳の奥の鼓動が樹に伝わり共鳴する。
私が発した言葉が頭の中に響き
木の中の細かい空間に移っていく。
だから木は私の言葉が聞こえるのだ。
でもいまのところ言い返しては来ない。
時々グゥオーンとかクックッと聞こえるが
木の言葉かどうかはわからない。
理解してしまったら自分が危ないので
このくらいにしておいた。